へルズ・エンジェルズのニューヨーク本部にNYPDが大捜査！

　ニューヨークには三つのエンジェルがいる。キリスト教のエンジェル（天使）とガーディアン・エンジェル（天使の守護団）とヘルズ・エンジェル（地獄の天使団）である。
　ニューヨーク・ダウンタウンのビルの谷間に改造ハレーの爆音を轟かせて走るヘルズ・エンジェルズをよく見かける。
　１９６９年以来、イーストビレッジの７７E. 3rd Street にヘルズ・エンジェルズのニューヨーク本部ビルがある。今日もいつも通りに数台のバイクが置かれている。その昔、日本人の観光客がバイクに触って倒してしまいボコボコに殴られたこともあった。
　バイク集団ヘルズ・エンジェルズは１９４８年にカリフォルニア州フォンタナで創立された。６０年代、カウンターカルチャーのシンボルとなった。１９６９年１２月６日、サンフランシスコ近郊のオルタモントで、「ローリング・ストーンズ」ロック・フェスティバル（観衆約３０万人）の会場警備に雇われ黒人ファンを刺殺した。また、売春、ポルノ、麻薬などの容疑で、しばしばギャングとして新聞種となり映画や写真集、本となっている。それで、狂暴なバイク団体として世界に名を轟かすようになった。
　２００７年１月２８日、クラブ前で女性がケガして倒れているのが発見された。NYPD（ニューヨーク市警）は暴行の関与でクラブ内を令状なくして捜査しようとしたが拒否された。が、次の日、重装備に機関銃をさげた緊急隊、パトカー、人質交渉トラック、空からはヘリコプターを動員して手入れを敢行。暴行容疑で一人を逮捕。ヘルズ・エンジェルズの弁護士で有名な人権擁護派のロン・カビー氏は、NYPDが多数の警官と多大のハードウエアを使ってみせびらかせ凶悪集団のレッテルをはりたがっている、と批判し訴訟をおこす予定である。
　これまで、同クラブは１９８５年に麻薬の運び屋と組織的犯罪法で、１５人が逮捕されている。１９９８年にも暴行容疑で急襲を受けたことがあるが、１年後に、警察のアパートなどの過剰手入れで市が訴訟され、４５万ドルもの賠償金が７人のヘルズ・エンジェルズへ支払われた。